「査定」には、実は2つの意味がある
同じ「査定額」という言葉でも、何を前提にした金額なのかで意味が大きく変わります。
- 仲介での査定額:不動産会社が買主を探し、市場で「これくらいなら売れるだろう」と見込む価格
- 買取での査定額:不動産会社自身が「この金額なら直接買い取ります」と提示する価格
同じ物件でも、この2つの金額には差があるのが普通です。混同したまま複数の会社に相談すると、「言っている金額がバラバラで訳が分からない」ということになりがちです。
買取価格が、仲介の査定額より低くなる理由
一般的に、不動産会社による買取価格は、仲介で売却した場合に見込める価格の7〜8割程度が目安と言われています(物件の状態によって5〜9割まで幅があります)。差が生まれる理由は主に次の3つです。
1. 不動産会社が再販するときの利益とリスクが価格に織り込まれる
買取の場合、不動産会社がいったん物件を購入し、リフォームなどを行った上で再度売り出します。その際の利益や、再販までにかかる期間中の金利・保有コスト、価格が下がるリスクなどを見込んだ上で買取価格が決まります。
2. 契約不適合責任が免除されることが多い
仲介で個人が売主になる場合、売却後に建物の欠陥が見つかると責任を問われる「契約不適合責任」を負うのが原則です。買取の場合は、不動産会社(宅建業者)が買主となるため、この責任が免除される契約になることが一般的です。売主にとってのリスクが減る分、価格に反映されます。
3. 仲介手数料がかからない
買取は不動産会社と直接取引するため、仲介手数料が発生しません。仲介では売却価格の3%+6万円程度(税別)が手数料としてかかるため、単純な提示価格だけでなく、手取り額で比較することも大切です。
それでも買取を選ぶ理由もある
| 仲介 | 買取 |
|---|---|
| 価格は高くなりやすいが、売れるまでの期間が読めない(数ヶ月〜半年以上かかることも) | 価格は下がるが、最短数週間〜1ヶ月程度で現金化できる。契約後に金額が下がる交渉もほぼない |
「多少安くても、早く・確実に手放したい」「老朽化していて、仲介では買い手がつきにくそう」という場合は、買取の方が結果的に合理的な選択になることもあります。特に、遠方にお住まいで実家を長く管理し続けるのが難しい場合、価格差より「早期に確実に手放せる」ことのメリットが上回るケースも少なくありません。